一口に「冷え性」と言っても、原因や冷えを感じる部位によって対処法が異なることを知っていますか。今回は冷え性を4つのタイプに分けて、それぞれの特徴や対処法をお伝えしていきます。
あなたはどれ?冷え性のタイプ4つ
冷え性は主に4つのタイプに分けられます。自分がどのタイプに当てはまるのか、チェックしてみましょう。
四肢末端型
- いつも手足が冷えている
- 汗をかきにくい
- ダイエットをしている
- 運動不足
「手足の末端が冷える」という四肢末端型は、10~20代のやせ型だったり、ダイエット中の女性に多くみられます。栄養不足や運動不足になると、熱を生み出す力が弱くなります。すると、体は熱が逃げないように、手足の血管を過剰に収縮させ、その結果、血液が末端まで行き届かず、手足が極端に冷えてしまうのです。
【対処法】
四肢末端型の場合は、靴下の重ね履きなどで手足を温めても、冷えは一時的にしか改善しません。なぜなら、熱が体に浸透するだけで、収縮した血管は広がらないからです。冷えを改善するためには、食事量を増やして体の熱量を増加させることが重要になります。無理なダイエットはやめて、1日3食バランス良く食べるようにしましょう。
下半身型
- 下半身だけ冷える
- 顔がほてったり、のぼせたりしやすい
- 足がむくみやすい
- 下半身が太りやすい
下半身型は30代~中高年の男女に多くみられます。同じ姿勢を続けたりして腰やお尻の筋肉が硬くなると、下半身の血流が悪化して冷えが生じるほか、老廃物や脂肪がたまりやすくなり、むくみの原因になります。また、このタイプは体内の熱量は十分にあるため、下半身は血流不足で冷えているのに、上半身には血が巡って頭や顔がのぼせるといった「冷えのぼせ」が起こりやすいのも特徴。
【対処法】
お尻の梨状筋と呼ばれる筋肉のストレッチやウォーキングが効果的です。ウォーキングは、大股でしっかりと足を出して歩くのがポイント。臀部の筋肉を使うことで、お尻回りの筋肉が凝りにくくなり、冷えの解消につながります。また、姿勢や座り方を見直すことも大切です。
内臓型
- 手足を触ると温かい
- 汗をかきやすい
- 腹痛や便秘、下痢などを起こしやすい
- 冷たいものをよく飲む
手足や体の表面は温かいのに、内臓が冷えているのがこのタイプ。交感神経の働きが弱い体質の人に多くみられます。交感神経が十分に働かないと、寒くても血管が収縮しにくく、体外に熱が逃げやすくなります。そのため、手足は温かいのに内臓は冷えるといった状態が起こるのです。
【対処法】
内蔵型の場合は交感神経の働きを正常化し、自律神経を整えることが必要です。そのためには、バランスの良い食事や十分な睡眠をとり、ストレスをためない生活を心がけましょう。また、食べ過ぎにも注意すること。食べ過ぎると発汗量が増えて、体を冷やす原因になります。冷たいものの摂り過ぎも内臓を冷やすので避けてください。
全身型
- 平熱が36℃以下で、一年中冷えを感じる
- あまり汗をかかない
- だるい、食欲がない
- 生活が不規則で、ストレスが多い
全身型は体の表面も中も冷えている状態。不規則な生活やストレスなどにより自律神経が乱れると、代謝が低下して熱をつくれなくなります。すると、体温の基準値が下がってしまい、慢性的に体温が低い「低体温」になる恐れがあります。
【対処法】
代謝を高めて多くの熱をつくるためには、食事を増やすことが重要です。また、体の内外が冷えているので、体の熱を逃さないように保温に気をつけること。ストレスや疲れをためないようにして、自律神経のバランスを整えることも冷え性の改善に有効です。
冷え性対策に欠かせない「運動」
どのタイプの冷え性に対しても共通して必要なのが「運動」です。ウォーキングやストレッチなど軽く汗ばむ程度の運動を、毎日続けるようにしましょう。体を動かすことで代謝が上がり、熱の産生量が高まるほか、全身の血流がよくなって冷え性の改善につながります。また、冷え性の原因の一つでもあるストレスを解消したり、自律神経のバランスを整える効果もあります。
タイプを知って効果的な対策を
冷え性対策は自分のタイプを知り、適切に対処することが肝心です。今回ご紹介した対処法を参考にして、冷え性の改善を目指しましょう。
<参考>
味の素 いきいき健康研究所「冷え」(http://report.ajinomoto-kenko.com/hie/)
伊藤剛「病気が潜んでいることも ――つらい『症状』に5つの原因」ヤクルト『ヘルシスト』vol.235、2016年、p20-23.(http://www.yakult.co.jp/healthist/235/img/pdf/p20_23.pdf)
エステー くらしにプラス「冷え性の原因を”温活”で撃退!カイロ活用法に、ぽかぽか食生活も」(http://www.st-c.co.jp/plus/season/2014_12/)
厚生労働省 ヘルスケアラボ「冷え」(http://w-health.jp/woman_trouble/cold/)
第一三共ヘルスケア 手足の冷え(冷え症)の症状
(https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/11_teashinohie/)
テルモ テルモ体温研究所「『冷え性』はなぜおこるか?」
(http://www.terumo-taion.jp/health/hiesyo/01.html)
日本経済新聞社・日経BP社 NIKKEI STYLE「冷え性、タイプ知り対処 末端型は食事を増やそう」(https://style.nikkei.com/article/DGXKZO11335390V00C17A1NZBP01)
ベルメゾン 冷えとり日和365
(http://monthly.bellemaison.jp/reg/hietori365/hietori365_index.html)
養命酒製造 養命酒NEWS「冷えは病気のサイン」(http://www.yomeishu.co.jp/sp/health/mibyou_prevention/hie_sign/)