冷え性はどの年代でもみられますが、年齢とともに冷えを感じやすくなることを知っていますか。では、加齢と冷えにはどんな関係があるのでしょうか。今回は、年齢とともに冷えを感じやすくなる理由と、その対処法をお伝えしていきます。
目次
加齢により冷えを感じやすくなる理由
筋肉量の低下
筋肉は最も多くの熱を生み出す器官であり、筋肉量が多いほど体内ではたくさんの熱がつくられ、体温も上昇します。ところが、年齢とともに筋肉量は減り、熱の産生量が低下するため、冷えを感じやすくなってしまうのです。
女性ホルモンの減少
40代後半になり更年期を迎えると、女性ホルモンの減少に伴って自律神経のバランスが崩れやすくなるため、冷えが生じることがあります。たとえば、下半身は冷えているのに、顔がほてる……。これは更年期に起こる代表的な症状で、冷え性の一種です。自律神経のバランスが崩れて、血の巡りが悪くなり、熱が体全体にうまく行き届かなくなることで、こうした症状が起こります。
年齢に負けない!冷えを防ぐセルフケア
毎日の運動で筋力アップ
冷えにくい体をつくるために重要なのが運動です。運動することで筋力がアップすれば、熱の産生量も増加するからです。筋肉から効率よく熱をつくり出すためには、お尻や太ももなど大きな筋肉がある下半身を鍛えるのが効果的。ウォーキングやスクワット、腹筋運動など、適度な運動をできるだけ毎日続けてください。また、階段を使ったり、大股で早歩きをするなど、日常生活のなかで体を動かすことも心がけましょう。
栄養バランスの良い食事
食事は熱を生み出すエネルギー源。栄養バランスが偏っていたり、食事量が少ないと、体の機能が低下して多くの熱を作れず、冷えを招く原因になります。1日3食、栄養バランスのよい食事を摂りましょう。食習慣を整えることで女性ホルモンや自律神経のバランスも整うようになり、冷え予防につながります。加えて、体を温める食材を積極的に摂ったり、冷たい飲食物を控えるなど、食材の選び方や摂り方も意識するとよいでしょう。
ストレスや睡眠不足に注意
ストレスも冷えを招く原因です。ストレス状態が長く続くと、自律神経や女性ホルモンのバランスが崩れ、その結果、体が熱を生み出す力が弱くなり、冷えを感じやすくなってしまいます。冷えを防ぐには、こまめにストレスを解消したり、十分な睡眠や休養をとって心身の疲れをためないようにするなど、生活習慣を見直しましょう。
若いうちから冷えに負けない体づくりを
冷えは体が寒くてつらいだけではありません。頭や腰などの痛みを引き起こしたり、胃腸の働きを弱くするほか、免疫力が低下してさまざまな病気を招く原因になります。今の段階では「冷え性で悩んでいない」という若い人も、加齢によって冷えを感じやすくなってくる可能性があります。年齢を重ねても冷えに負けない体をつくるために、若いうちから対策に取り組みましょう。
<参考>
石河亜紀子ほか監修『からだのことがよくわかる女性の医学』池田書店、2005年
石原結實『病気知らずの体をつくる 石原式 冷え取り健康法』西東社、2009年
川嶋朗『川嶋朗式 すぐ効く ずっと効く 冷え克服法』エクスナレッジ、2010年
対馬ルリ子総監修『夏冷え・冬冷えがつらいときの本』小学館、2009年
中村丁次監修『栄養の基本がわかる図解事典』成美堂出版、2016年
オムロンヘルスケア オムロン式美人(http://www.healthcare.omron.co.jp/bijin/)
テルモ テルモ体温研究所「『冷え性』はなぜおこるか?」
(http://www.terumo-taion.jp/health/hiesyo/01.html)
養命酒製造 養命酒NEWS「冷えは病気のサイン」(http://www.yomeishu.co.jp/sp/health/mibyou_prevention/hie_sign/)