夏は冷房や冷たい飲食物によって、実は冷えやすい季節。夏は暑いために冬に比べて、冷えを自覚しにくいのですが、知らず知らずのうちに、冷えが不調をもたらしている可能性も。夏場に体の調子がすぐれないという方は、もしかすると夏の冷え性が原因かもしれません。そこで今回は、夏の冷え性を防ぐためのポイントをお伝えします。
目次
夏の冷え性はなぜ起こる?
冷房による冷えや室内外の温度差
夏の冷え性の大きな原因の一つが、冷房による冷え。オフィスなど冷房の効いた部屋で長時間過ごすことが多い夏は、冬に劣らず、冷えを訴える人が多い季節です。その理由は、女性はもともと男性よりも筋肉量が少なく、熱を生み出す力が弱いことに加え、夏場は薄着だったり、肌の露出が増えて、体の熱が奪われやすくなるからです。また、冷房の効いた涼しい室内と気温の高い屋外との温度差に体がついていけず、体温調節がうまくいかなくなることも、夏の冷え性の原因です。
冷たいものの摂り過ぎ
冷たい飲食物の摂り過ぎも、夏の冷え性を招きます。冷たいものを摂り続けると、血行や水分代謝が悪くなって、老廃物や余分な水分が排出されにくくなります。その結果、むくみやめまい、頭痛、肩こり、尿トラブルなど、さまざまな不調が起こりやすくなるのです。また、内臓が冷えると自律神経が乱れて、だるさや不眠、食欲不振などもみられるようになります。
夏の冷え性を防ぐポイント4つ
露出を控えて冷房から体を守る
冷房の効いた室内で過ごすときは、熱を逃がさないように、肌の露出をできるだけ控えること。特に首や手首、足首、お腹、背中が冷えると、体全体が冷えやすくなります。カーディガンやストール、レッグウォーマー、腹巻などを活用して体を冷えから守りましょう。
飲食物は常温以上のものを
暑い夏はついアイスやジュース、食事もそうめんなど、冷たい飲食物を摂りがち。冷たい飲食物は内臓の熱を奪い、体を冷やすので、できるだけ常温以上のものを口にするようにしてください。
適度な運動をする
運動して体を動かすと血行がよくなり、体を温める効果があります。また、筋肉が鍛えられることで、熱を生み出す力が高まり、体が冷えにくくなります。ウォーキングやスクワットなどの適度な運動をしたり、階段を使うなど日常生活で体を積極的に動かすようにしましょう。
湯ぶねにつかって入浴する
夏は暑いのでシャワーで済ませがち、という方も多いかもしれませんが、お湯につかって入浴するのがおすすめ。ぬるめのお湯にゆっくりつかると、血行が促進されるため、体を芯から温めることができます。
冷えを自覚しにくい夏こそしっかり対策
体の冷えを感じないという人も、夏は冷たい飲食物によって内臓が冷えており、さまざまな不調を引き起こしている可能性も。自覚しにくい夏の冷え性こそ注意が必要です。冷房対策や食事など日頃の生活習慣を見直して、夏の冷え性を予防・改善しましょう。
<参考>
石原結實『病気知らずの体をつくる 石原式 冷え取り健康法』西東社、2009年
川嶋朗『川嶋朗式 すぐ効く ずっと効く 冷え克服法』エクスナレッジ、2010年
対馬ルリ子総監修『夏冷え・冬冷えがつらいときの本』小学館、2009年
沢井製薬 サワイ健康推進課「油断できない!夏の冷え症」(https://www.sawai.co.jp/kenko-suishinka/theme/201708.html)
テルモ テルモ体温研究所「『冷え性』はなぜおこるか?」
(http://www.terumo-taion.jp/health/hiesyo/01.html)
ニプロ すこやかネット「Vol.28 冷房、ストレス、寝不足、肌の露出、冷たい飲物・食品の摂り過ぎなど『夏の冷え』対策を探る」(https://www.nipro.co.jp/sukoyakanet/29/)
養命酒製造 養命酒NEWS「冷えは病気のサイン」(http://www.yomeishu.co.jp/sp/health/mibyou_prevention/hie_sign/)