カイロを使ったり、厚着をする、靴下を重ね履きするなど、冷え性対策はさまざま。しかし、冷え性を改善するためには、外側からだけでなく、日々の食事によって体を内側から温めたり、熱をつくる力を高めることも大切です。そこで今回は、冷え性改善のために押さえておきたい食事のコツをご紹介していきます。
目次
【コツ①】バランスのよい食事
炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルといった5大栄養素を中心に、バランスよく食べるようにしましょう。体が熱を産生するためにはさまざまな栄養素が必要であり、栄養バランスが偏ると効率よく熱がつくられず、冷えを招く原因になります。
なかでも、血行をよくするビタミンE、造血に必要な鉄やビタミンB群、熱を生み出す筋肉のもととなるたんぱく質などは、冷えの予防・改善のためにぜひ摂っておきたい栄養素です。
また、甘いものや脂っこいものの摂り過ぎは、血糖や中性脂肪を増やして、血行を悪くし、冷えを悪化させる原因になるので注意しましょう。
【コツ②】無理なダイエットも食べ過ぎもNG
食事は熱を生み出すエネルギー源です。無理なダイエットで栄養不足になると、体内で熱を十分に作れず、冷えの原因になります。また、食べ過ぎにも注意してください。食べ過ぎると、体内では消化・吸収を活発にするために胃腸に血液が集中します。そうなると、熱を生み出す筋肉などに血液が届きにくくなるため、熱の産生量が低下し、体温が下がってしまいます。
【コツ③】朝食をしっかり食べる
朝食を摂ると体内で熱が作られ、体温が上昇します。それとともに代謝も上がり、熱産生も高まるため、1日を通して体温を維持しやすい状態になります。
【コツ④】体を温める食材を摂る
東洋医学では体を温める食べ物を「陽性食品」、体を冷やす食べ物を「陰性食品」と呼びます。どちらもバランスよく摂ることが大切ですが、冷え性の予防・改善には、陽性食品を積極的に食事に取り入れるようにしましょう。
また、陰性食品を摂るときは加熱調理したり、体を温めるしょうがやにんにく、とうがらしなどのスパイスと組み合わせると、体を冷やす作用を緩和できます。
- 陽性食品(秋冬が旬のものや、寒い土地が原産のものに多い)
にんじん、ごぼうなどの根菜類、ねぎ類、かぼちゃ、桃、牛肉、鶏肉、あじ、いわし、えび、玄米、黒糖など - 陰性食品(春夏が旬のものや、暑い土地が原産のものに多い)
トマト、きゅうり、なす、ほうれん草、にがうり、たけのこ、こんにゃく、バナナ、パイナップル、白砂糖など
【コツ⑤】飲食物は常温以上のものを
冷たい飲食物を摂り過ぎると内臓を冷やし、胃腸炎などさまざまな不調の原因になります。夏は特に冷たい飲み物やアイスクリームなど冷たい飲食物ばかり摂りがちですが、できるだけ常温以上のものを口にするようにしましょう。
【コツ⑥】食事はよくかんで食べる
毎日の食事で心がけたいのは、食べ物をよくかむこと。最低一口30回はかみましょう。かむことで消化がよくなるだけでなく、熱の産生量が増え、体温の上昇につながります。
食生活を見直して冷えにくい体へ
「日頃から冷え性対策をしているけれど、なかなか改善しない」という方は、もしかすると食事に原因があるかもしれません。食生活を改善したり、食事の仕方を工夫して、冷えにくい体をつくりましょう。
<参考>
足立香代子監修『決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典』西東社、2015年
川嶋朗監修『ほんとうに効く! レベル別冷え退治バイブル』扶桑社、2015年
中村丁次監修『栄養の基本がわかる図解事典』成美堂出版、2016
味の素 温朝食ラボ(https://www.onchoshoku.jp/labo/)
厚生労働省 ヘルスケアラボ「冷え」(http://w-health.jp/woman_trouble/cold/)
腸温活プロジェクト (http://cho-onkatsu.jp/index.html)
テルモ テルモ体温研究所「『冷え性』はなぜおこるか?」
(http://www.terumo-taion.jp/health/hiesyo/01.html)
ベルメゾン 冷えとり日和365
(http://monthly.bellemaison.jp/reg/hietori365/hietori365_index.html)
養命酒製造 養命酒NEWS「冷えは病気のサイン」(http://www.yomeishu.co.jp/sp/health/mibyou_prevention/hie_sign/)